「ヒエーッ」。

今日の天気 晴れ


まだ、朝方は寒い日が続いていますが、日中はポカポカ陽気。春ですね。



昨日、歯の治療で大学の付属病院に行ってきました。さすがに大きな病院だけあって治療する部屋には数十人の患者が大きな口を開けて治療を受けていました。キーンと響き渡る器具の音。うがいをする音などが部屋中に充満しています。キーンという音を聞いただけで僕は緊張してしまいました。これからどんな治療をするのかと不安がいっぱいで、鼓動が隣の患者に聞こえないかと心配しました。どうか痛くありませんようにと神様にお祈りをしました。


「ヒエーッ」と近くから声が上がりました。
僕の後ろで治療を受けている女性の患者さんでした。緊張して治療を受けている最中に「ヒエーッ」という大声に最高に驚き、僕も一瞬心の中で「ヒエーッ」と叫び、椅子から転げ落ちそうになりました。治療をしている医師が、女性患者の歯の神経に触ったのかも知れません。それとも無断で歯を抜いてしまったのでしょうか。


僕が驚いた理由には二つありまして
最初に驚いたのは何しろ「ヒエーッ」という大声でした。神様にお祈りしたぐらい不安な気持ちでいる状況での中で聞いた大声にはびっくりしました。驚いたのは僕ばかりでないようで部屋中に響いていたキーンという器具の音がすべて途絶え、口を漱いでいる人はその水を飲みこんでしまいました。次に部屋はシーンと静まり返り、皆は次に何が起こるか固唾を飲んで待っていました。しばらく経ってからの医師の言葉です。「痛かったですか」。


それからもう一つ驚いたのは
これは最初に驚いた理由から数秒経ってから気がつき、驚いたのです。女性患者が発した声を「ヒエーッ」と書きましたが、そのものずばり「ヒ」「エ」「ー」「ッ」と文字通り正しく発音しているのです。人間って驚いたときに出す言葉は「アッ」か「イッ」か「ウッ」か「エッ」か「オッ」とア行の声が出るものばかり思っていたのですが、僕の常識は通用しなかった驚きです。


僕は思いました。この女性は元「アナウンサー嬢」ではなかったかと。アナウンサーは正しい発音に心掛けているようですので、多分間違いないと思います。この女性患者のご尊顔をぜひ拝したいと思ったのですが、僕の治療が終わったときはすでに女性患者はいませんでした。