ネコの事情

今日の天気 晴れ


暑い日が続いています。九州の一部では梅雨が明けたとのこと。関東でも梅雨が明けたような暑い、暑い天候です。
朝早く公園を歩いてきました。
ネコが僕を見つめていました。


ネコ「吾輩は猫である。名前はまだ無い」。



















僕 「ハイ、猫と言われなくても誰がみても猫ですよ。ライオンなんかには見えません。それに名前なんか知りたくもありません」。


ネコ「・・・・」。


僕 「そんな事より、なんでそんなところにいるんですか。もしかしたら公園でコッソリ「招きネコ」の練習をして、人間に可愛がられようとしているのかな。右手で招くのそれとも左手」。


ネコ「そんなんじゃありませんよ。実はね、吾輩は毎朝、餌を持って来る人をここで待っているんですよ。
言いたかありませんが、あなたは一度も餌を持ってきたことがないので猫たちの評判がすごく悪く、そのうえ猫をおっかけまわして自分だけ喜んでいるという噂が飛び交っていますよ。
本当はあなたを無視したかったのですが、目が合ったからしようがなくお付き合いをしているのですが、私に用がなかったらとっととこの場から離れてください。
それから名前はまだ無いと言いましたが、これから餌を持って来る人からは吾輩は毛色が茶色だから、「茶々」と呼ばれていますよ。
遠くから「茶々」と呼ぶ声が聞こえて来ると「ニャオン」と猫なで声をだして近寄って行きます。また、お昼頃餌を持って来る人は、何故か吾輩を「赤」と呼んでくれます。その時も猫なで声をだして、餌のおねだりをします。
本当に名前は便利です。でもあなたのように餌をくれない人は、猫の名前を呼ぶ必要が無いから名前を知る必要は無いのでしょうけど」


僕 「暑くなってきましたね」


ネコ「はぐらかさないでくださいよ」


僕 「ところで今年も可愛い赤ちゃんが生まれましたね」


ネコ「ハイ、母親は今も元気でお過ごしの「シロ」というネコの子供の更にその子供が三匹もうみました。母親に似て三匹とも可愛いネコです」
















僕 「ガチョウさんは今年も赤ちゃんが生まれなかったのですが、ネコさんのところでは毎年、よく生まれるものですね。
『のら猫が増えて困っています。猫にエサを与えないで下さい』。という看板が猫さんの住んでいる家の近くにあるのに、気にならないのですか」。




















ネコ「邪魔になる物がたったと思いましたが、そんなことが書いてあるのですか。そういえばエサの量が少なくなったなぁと思った時もありましたが、今は看板が出る前の状態に戻りました。この看板は人間に対して注意をするものでネコには関係ありません。
それに池の入り口に『お願い 私達を置いていかないで』という看板も出ているのですが、人間はそんな看板を無視しています。吾輩はその看板に書かれていることを無視され捨てられた一匹です」。




















僕 「ネコさんもいろいろとご苦労をされているのですね。
   そろそろエサを持ってくるオバサンがきます。お邪魔しました。子猫はカラスの餌食にならないようくれぐれも注意して下さい」。


僕は『のら猫が増えて困っています。猫にエサを与えないで下さい』という、あまり効果のない看板に複雑な思いをしながらネコさんと別れました。