「ガチョウ友の会事務局」その2

今日の天気 晴れ


久し振りの晴天です。これから春のような気候が続きそうです。ゴールデンウイークも晴天のようでうれしいですね。


(これから先は昨日の続きです)


「ピッ」と7を押しました。



担当者「大変お待たせいたしました。担当の「ガー子」と申します。お電話ありがとうございます。ご質問はどのようなものでございましょうか」
と、雌(女性)の担当者ガー子さんが言いました。


オジサン「あのさー」
と、偉そうにオジサンは言いました。会社を退職した後、初めて「長」とつく肩書を自治会からもらっていますので、何となく偉ぶっていたかったからです。
「長」がつく肩書き。それはさっき書きましたでしょう。「班長」です。


オジサン「あのさー」
とまた言いました。これで二度目です。
続いてオジサンは質問しました。
オジサン「池に住んでいるガチョウだけど、毎年、卵を産むのは良いんだけど、雛が孵ったためしがない。どうなっているのか。それに卵を抱いていると思ったら、次の日に行ってみるとホッタラカシにして池の周りをブラブラしている。これじゃ孵化するわけがないよ。実に親鳥としての責任感がない。事務局としてはどう考えているのか」
と、また、偉ぶって担当者に言いました。


ガー子「久しぶりの真面目なご質問に身も心も感激で震えております。実はここだけの話ですが、毎日のように「くだらない質問」が多いのです。例えば、ガチョウの羽は何枚あるのかというものや、池のガチョウから「フォグラ」は出来るのかとか、そのフォグラはいくらで卸しているのかという質問や、ガチョウの卵と鶏の卵を目玉焼きにした場合、どちらがうまいのかといったようなものが多いのです。
担当者としては、くだらない質問には答えたくないのですが、このくだらない質問を受けるコーナーがある限り答えなくてはならないので、ほとほと困っているのです。
「ご自分でお確かめになられてはいかがです」。と答えたいのですが、これを言ってしまうと仲間のガチョウが死ぬことになってしまいます。何かよい方法があれば教えてほしいです。オッと、また愚痴ってしまいました。
本題に戻しましょう。
エーと。どんな質問でしたっけ。あ、そうそう孵化の問題でしたね。
そうなんです。毎年産卵はするけど孵化せず。この問題につきましては頭を抱えています。
ガチョウ友の会は人間社会で言います高齢化というものが進んでいます。ガチョウの世界では年齢というものがありません。何日間生きたかということだけです。それに高齢出産という考えもありません。産めるだけ産むという考えです。でも、限度があります。
現在、友の会は少子高齢化ではなく、無子高齢化でこのまま続けば将来友の会は解散せざるを得ない状況です。
そこでなんとかならないものかと昨夜決起総会をひらいたのです。スローガンは「産卵後は必ず孵化させよう!!」。
で、その一環として今後は交代で抱卵させるよう徹底したのです。ところが何を勘違いしたのか三羽で卵を抱いているのです。三羽で卵を抱けば、孵化するまでに日数が三倍速くなると思っているのです。このようなガチョウを指導教育している私の身にもなってください。その上にくだらない質問に答えなくちゃならないしで、退職したくなりました。」


オジサン「長々とご説明ありがとう。今後もがんばってください」
と言って電話を切りました。オジサンはガチョウ友の会の担当者に同情を覚えました。偉ぶることも忘れていました。普通の心配症で気が小さい暇なオジサンに戻っていました。


暇なオジサンは、ガチョウの世界を自然の成り行きで見守ることにしました。
暇なオジサンは毎日公園を歩いています。