「ガチョウ友の会事務局」その1

今日の天気 雨

数日すっきりしない天気が続いています。春の季節でこのような天気は「菜種梅雨」というのだそうで、植物の生育には大事な季節のようです。


さて、暇なオジサンは今日も雨の中、公園をぶらぶら歩いてきました。
歩いていても暇ですから、暇つぶしにあちこち見て歩きます。自然と目がガチョウの巣に向いてしまいます。また、またガチョウの話かとウンザリされるかもしれませんが、書く方もさらにウンザリしているのです。



昨日、巣には卵がなかったのですが、今日はその狭い巣で三羽のガチョウが押し合いへし合いしていました。「どうしたんだろう」と暇なオジサンは思いました。
「何じゃい、また、卵を産んだのか」。暇なオジサンはその巣に近寄ってみました。
案の定、卵が二つほどありました。二つほどと不確定な書き方になったのは、巣に近づいていくと三羽のガチョウは暇なオジサンを威嚇してなかなか卵を見せてくれないのです。
それに暇なオジサンは、威嚇しているガチョウに運悪くかまれて「ガチョウにかまれ瀕死の重傷」などと面白半分に新聞に出ては町内の笑い者になると思い、笑い者にならないように最善の注意をもって恐る、恐る巣に近づき、おっかなびっくりで数えたのが二つだったのです。
あっ、そうそう、言い忘れていましたがこの暇なオジサンは4月から自治会の班長さんになりました。ちょっぴり暇でなくなったのです。
卵がなくなったからと言ってはまた産む。産んだからといっては卵をホッタラカシにする。
どうなっているのガチョウの出生と育児は。(注:鳥の出生とは産卵したときのことをいうのか孵化したときのことをいうのか現在のところ不明です)と暇なオジサンは思いました。


自治会の班長のお仕事をやるようになって少し暇な時間がなくなったオジサンは、まだ、暇だったので、公園のガチョウを管轄している「ガチョウ友の会事務局」に電話することにしました。
「ガチョウ友の会」というのは、公園の池を我が物顔でふらつきまわっているガチョウ12羽の集団です。長く住んでいて池の主としてほかの鳥たちから嫌われています。


ピッ、ポッ、パッ。暇なオジサンのところはプッシュホンです。


暇なオジサン「もし、もーし」


事務局の電話「この電話は現在使われておりません。電話番号帳で番号をお確かめのうえお電話をされるようにしたらいかがでしょうか」
と、親切な言葉が受話器から聞こえてきました。事務局に電話するのは何年かぶりだったのでかすかな記憶で番号を押したのです。
パッ、ポッ、ピッ。プッシュホンです。電話をかけなおしました。


暇なオジサン「もし、もーしっ」


事務局の電話「お電話ありがとうございます。こちらはガチョウ友の会です。いつもお世話になりありがとうございます。次の該当する番号を押してください。ご案内の途中で該当する番号を押してもかまいません。
(友の会事務局では、電話の受け付け事務が多くなりましたので、効率化を図るため当初の受付を番号で分ける最新の方法にしました)
1は、ガチョウに対してクレームをガンガン言いたい方。
2は、ガチョウをペットにしたいとのお申し出の方。
3は、ガチョウはなぜ脚が短く、ヨタヨタと歩くのかを知りたい方。
4は、ガチョウはなぜ嘴がダイダイ色で、頭からでているのかを知りたい方。
5は、ガチョウに年齢があるのかを知りたい方。
6は、アヒルとガチョウの違いを知りたい方。
7は、その他、くだらない質問のある方。
8は、もう一度最初から案内をお聞きになりたい方。
なお、通話料金はお客様のご負担となります。それでは、該当する番号を押してください。ハイッ。どうぞ」
と言われて、暇なオジサンはどぎまぎして、今までの案内をすっかり忘れてしまいました。
それにたくさんの項目があり、一度では覚えきれませんでした。何度も8を押して聞きなおしましたが、該当する項目がありません。あえて該当する項目を選ぶとなると「7のその他、くだらない質問のある方」になりますが、これから質問する項目は、オジサンにとっては大変真面目な質問だったのです。<途中で疲れてきましたのでこの続きは明日にします>