「ガチョウ友の会」事務局御中

今日の天気 晴れ


若葉が芽生え、春本番です。
渡り鳥はいつの間にか北に旅立って、「上池」の水面にはいつも見慣れている鳥だけになってしまいました。
その中で一番目立つのがこの池の主といえるガチョウです。
12羽います。毎年のことですが、今の季節になりますと産卵します。でも、いままで孵化したことがないのです。ガチョウの世界でも少子高齢化が進んでいます。と書きたいところですが、今のところ少子高齢化どころか「無子高齢化」で、上池にいるガチョウは絶滅してしまうのではないかととても心配しております。


今後のガチョウ界のことを思いますと心配で、ゆっくり家でテレビを見ているわけにも行かず、思い切ってガチョウ12羽で作っている「ガチョウ友の会」事務局宛て提言をすることにしました。
「小さな親切、大きなお世話」と言われそうです。でも、何かお役に立てればうれしく思います。



ガチョウ友の会 事務局御中


前略 いつもガチョウさんたちと仲良くさせて頂きありがとうございます。
今年も春ウララカナ季節がやってきました。暖かくなってきますと、待ちに待った一年に一度の産卵の時期を迎えることになりますが、今はその準備に大変御忙しいことと思います。
と、思いましたらすでに数え切れないほど産卵しておりました。
 でも、また、ガッカリしてしまいました。卵をホッタラカシにして昼間っから親鳥は遊びに出かけていたのです。毎年のことです。天日にあてて自然孵化させようとしたのでしょうか。
翌日、二羽の親鳥が卵を温めていました。今年こそは孵化が期待できるとおもいました。
でも、卵の数が多くて全部を抱ききれないようでした。これも毎年のことです。
で、その翌日、今度は一羽の親鳥が卵を温めていました。
アレッ、あんなにあった卵、どうなっちゃったの。
近くの枝にカラスが止まって「カァ、カァ」と鳴いていました。
さらに翌日、巣の中には卵は一つもありませんでした。
今年も期待は見事に裏切られてしまいました。
以上が今年の状態です。
卵が減っていくのは、天敵であるカラスが持ち去っていくのではないかと想像はしていたのですが、今年はカラスが卵をくわえて飛んでいったのを目撃しました。
毎年、同じことの繰り返しです。


差しでがましいのですが、子孫を増やすためには次のことを提言します。
1.まず「巣」ですが、地べたに直接産卵するのではなく、ガチョウ仲間各鳥から羽毛20本程度を出しあい暖かい巣を作りその中に産 卵すること。


2.親鳥一羽で抱卵することが出来ない場合は数羽で抱卵し、一個でも卵がはみ出さないようにすること。担当者がすぐ決まらない場 合はアミダ籤で決めること。


3.天敵のカラスを警戒すること。警戒する際「警戒棒」を咥えて威嚇すること。
 その際、絶対に声を発しないようにすること。声を発すると警戒棒が落ちるので注意。


4.抱卵して担当者の食事は、抱卵担当鳥、警備担当鳥以外のガチョウが担当し、三度の食事にこと欠かさないようにすること。


5.孵化しなければ、将来、絶滅という一大事を常に念頭に置き、ガチョウ友の会一丸となって子孫誕生に努めること。


6.関係ないと言って遊び呆けている仲間は「ガチョウ友の会」を脱退させること。


以上、今年の状況と今後の提言をさせて頂きました。
すでに、今年の状況を把握しているとは思いますが、写真を添えてご連絡申し上げます。
今後、ますます「ガチョウ友の会」の発展をお祈りしております。

草々