結婚記念日

シラン

今日の天気 晴れ。


朝から強い風が吹いています。まるで台風並みの風です。それにしても蒸し暑い日です。


家内が心地良い眠りから覚め、しばらく経ってから「オトウサン。今日はナンの日?」と聞きます。少しご機嫌が斜めのようです。
夜中、家内は毛布を蹴っ飛ばして寝ていました。先だって、僕は寒くて目が覚め、布団を押入れから出して自分だけかけて寝てしまいました。
翌朝、それを見た家内から「あなたは薄情者だ」と言われたばかりでした。そんなこともあり毛布をかけてやろうかと思いましたが、暖かでしたのでそのままにしておきました。
そのことがばれたのかと一瞬思いましたが、質問はそれとは関係ないようです。
すぐ答えて、家内の思っている正解と相違するとトンでもないことに発展するような雰囲気でしたので、少し間をおいて答えるようにしました。
これもあまり長く答えられないでいると、これまたトンでもないことになりそうです。


「ナンの日だ」と言われても「いつもの日」と答えるわけにも行きません。
早速自分の頭脳に「今日はナンの日」と検索をしてみました。そうしましたら「今日はナンの日」に該当するものが見つかりませんでした。と出ました。
更に
検索のヒントとして
キーワードに誤字・脱字がないか確かめてください。
違うキーワードを使ってみてください。
より一般的な言葉を使ってみてください。
キーワードの数を少なくしてみてください。
と、頭脳が催促しましたので、再度「5月20日」と再検索をしました。でも、やはり「5月20日」に該当するものは見つかりませんでした。と頭脳から返事が来ました。
だんだん焦ってきました。
そういえば、人間の脳細胞は、毎日、数十万消滅していると聞いたことがあります。
昨日消滅した脳細胞の一部に「5月20日」の「今日はナンの日」というのが含まれていたのかも分りません。
又、新たな心配が出てきました。検索した時、「該当するものは見つかりませんでした」と出るまで1秒もかかりませんでした。と、言うことは残っている脳細胞は極端に少なくなっているからです。脳細胞が多ければ時間がかかるはずです。それが1秒もかからずに結果がでることに愕然としてしまいました。
そう言えば、昨日の夕食にナニを食べたのか思い出すことが出来ないのです。いくら思い出そうとしても思い出せないのです。


そんな葛藤をしていることを知らない家内は、業を煮やしたのか遠くから「今日は結婚記念日だよね。誰からもお祝いは届いていないね〜」という冷ややかな声が聞こえてきました。
「アキャ、そういえば今日は結婚記念日だ。先月まで覚えていたのに」。
先月の家内の誕生日も家内から遠まわしに催促されてやっと思い出し、「おめでとう」と間の抜けたお祝いのことばを言ったことがあります。これも誕生日の前日まで覚えていたのですが、当日になってすっかり忘れていました。
それでは翌月の結婚記念日は絶対忘れずに、寝起きのスッピンの顔を見たらすぐ言ってやろうと思っていたのですが、やはり当日になったら忘れてしまいました。


結婚記念日と知ったからにはいち早くご挨拶をした方が得策だと思い「結婚記念日、おめでとう」と言いました。
言ってからこのことばの使い方はおかしいと思いました。でも、何とかその場をしのげましたので良かったと思います。家内の機嫌は少し良くなりました。家内の鼻歌が聞こえてきたからです。
それにしても、家族全員の誕生日、結婚記念日などよく覚えているなぁと感心しました。まだ、家内は若干僕より若いので脳細胞はまだ沢山残っているようです。