「ひねくれ」物語

今日の天気 晴れ


爽やかな天気、いよいよゴールデンウイーク。と、言っても毎日が日曜日の僕にとっては「あっ、そうか」と素っ気無い態度もしていられませんので、お勤めされている方と一緒になって喜んでいます。今日見たいな天気がゴールデンウイークにも続きますようにと願っておきました。
でも、勤めていたときは、ゴールデンウイークというのは始まる前が一番心がウキウキしました。終ってしまうと仕事がゴッソリたまっていてそれを片付けるのが大変でした。休日を上手に過ごすことが出来ない性質でしたから。


「おとうさん、貧乏くさい」と僕の顔を見て家内が言いました。
「貧乏」とドッキリすることばを滅多に来ることのないレストランで言い放ちました。
家内は我が家の大蔵大臣。その大蔵大臣は我が家は「貧乏くさい」ではなく「貧乏そのもの」だということは良くご存知の筈なのに。
退職後「貧乏」ということばは我が家に於いて「禁句」にして、絶対他の人にはわからないようにしようとあれほど二人で硬く打ち合わせをした筈なのに。
考えて見ますと「貧乏くさい」は「貧乏」より他の人に聞かれても、「この老夫婦が可哀想」という同情心は沸いてこないのではと見栄っ張りの僕は思いました。
それに都合がよいことにレストランは二人だけで、我が家の情報は漏れることは無かったようで一安心しました。


そういえば、三日ほど髭を剃っていませんでした。
珍しいことに今日の昼食はレストランでということになりましたので、急遽出かけてました。頭髪はバサバサ。髭は伸び放題。
それではみっともないと野球帽を被っていきました。
遠くから見るとメジャー・リーグ、シアトルマリナーズの「イチロウ選手」にそっくりです。
レストランで二人が向かいあって座ったら「イチロウ選手のように格好いい」と言われるかと思いましたら「おとうさん、貧乏くさい」です。
「ソリャそうだ。イチロウ選手は現役でバリバリ働いて、契約金もン十億円も稼ぐんだから髭を生やしても格好良く見えるんだべ」と言ってやりました。
金持ちが何をしても格好良く見えるのは、歳を取ってきてだんだんひねくれてきているからでしょう。


以前、何かの本で読んだことがあります。
[ホテルの宴席で、まだ宴会が始まる前、テーブルに並んでいる料理を出席している一人の人がちょっとつまんで食べました。それを見た人が「あっ、つまみ食いだ」と言いました。
次いで料理長がやはりその料理をつまんで食べました。それを見た人が「料理長が味見をしている」と言いました]。同じ行為をしているのですが、やっている人によって見方が変わるということはどうしようもないことです。やはり、権威のある人には叶わないということでしょうか。