私はネコです

不貞寝する「ネコ」

今日の天気 曇りのち晴れ。
午前中は少し涼しく感じましたが、午後から蒸し暑くなってきました。
公園の「菖蒲園」は相変わらずの人出で、混雑していました。それに比べ「上池」周辺はひっそりしていて、カメが岩によじ登って甲羅干しをしていました。のどかなひと時です。


ネコ「私はネコです。名前はありません」


「どこかで聞いたような、読んだようなセリフですね。写真を見れば誰でもネコだとすぐ分かりますよ。当たり前のことをまじめに言うとチョットおかしいネコだと思われますし、私は"イヌ"だといったら、とんでもなく頭がおかしいネコだと言われますよ」


ネコ「私は公園に来る前は人間に飼われていたのです。それに名前もチャントありました。でも、今では名前を読んでくれる仲間もいないし、歳をとってくるとボケが始まったのか名前も忘れてしまいました。なんだか「タマ」と呼ばれていたような気がします」


「なんでこんな格好で道路に寝そべっているんですか」


ネコ「不貞寝ですよ。人間なんていい加減です。ネズミを捕らないネコなんて、コーヒーにミルクを入れないのと同じだと、わけの分からないことを言って僕を公園に捨てにきたのです。何十年も昔はネズミが食料だったとご先祖様から聞いたとこがあるけど、今は「キャットフード」が主食になっている時代にネズミなんか食べるネコなんていませんよ」


「最初、写真のような姿を見たとき、テッキリ餓死したネコかと思いましたよ。それに恐る恐る前足にさわったのにビクリともしないものですから、やっぱり死んでいると思いましたね。しばらくしてから伸びをして欠伸をしたときは又びっくりしました。ネコの大物ですね」


ネコ「人間をびっくりさせ、懲らしめているんですよ。私が小さい時、人間に飼われたのですが、その晩、家族全員で私の名前を決めて、どちらがネコだか分からないような声を出して私を呼ぶんですよ。今、思い出すと「ネコなで声」というんでしょうね。だんだん私も大きくなって可愛らしさがかけてくると人間家族は目もかけてくれなくなり、名前を呼んでくれることもなくなりました」


「あなたが公園に捨てられたのは、ネズミを捕らないという理由ではなく、さっきの寝姿から想像すると、人間に飼われていたときの態度がデカカッタんじゃないですか」


ネコ「・・・・・」


無駄な時間を過ごしてしまいました。ネコと話をしなければ「上池」周辺のウォーキングは終っていたのに。
それに今日も暑くなりそうだなぁ。