子ネコの「捜索願い」その後

今日の天気 雨[台風13号接近]


毎日、毎日、ヒマで暇で、暇で死ぬのではないかと思われるほどの忙しい日を過ごしているのですが、年に一度くらいは公園に行くこともできないほど本当に忙しい日もありまして、すっかりご無沙汰してしまいました。
袖ケ浦公園での「子ネコの捜索願い」。[id:h-kawa0619:20080910(子ネコの「捜索願い」)
その後どうなったのか心配しながら過ごしてきましたが、今日「袖ケ浦公園上池カルガモ警察署」に行って聞いてきました。
結論から申しますと、捜索願いの出ていた「子ネコのクロ」はいつもの場所に戻っていて、また親子三匹で仲良く暮らしているとのことでした。
警察署を出て親子三匹が住んでいるところに立ち寄り、仲良く食事をしているところを写真におさめてきました。



[親子三匹、仲良く食事]



















カルガモ警察署長の話によりますと
9月8日に「ネコバアさん」から「子ネコのクロの捜索願い」が出されて、ヒマで死にそうなカルガモ警察署員は仕事ができた喜びに満ち溢れ早速捜索を開始したのですが、結果は思わしくなく、警察署の雰囲気は一気に真っ暗な雰囲気に包まれてしまいました。
そんなとき、ある男が捜索願いの出ている「子ネコ」を見たという情報を得ましたのでその男から様子を聞ました。
その男を見た時「胃の痛み」と「恐怖感」をおぼえ、わが人生(注:鳥ですから「鳥生」と言うのでしょうか)で一番の最悪の状態に陥ったことを今でも忘れておりません。
でも、意外と紳士であったことに安心しました。
真っ暗な雰囲気が漂っていた警察署の雰囲気は徐々に明るさを取り戻しつつあったのですが、その後の捜索でまた真っ暗な雰囲気に戻ってしまったのです。子ネコは見つからなかったのです。


カルガモ警察署が得意とする空からの捜索は全く効果はありませんでした。
今の季節は樹木の葉っぱが邪魔をして視界を遮り、そのうえ雑草が生い茂っていて空からの捜索は無理だと分かりました。
それなら地上におりて探そうとしたのですが、カルガモは歩くことは苦手です。
そんなことで、いつも上池で隊列を作って散歩している「ガチョウさん」に急遽捜索隊に加わって頂くことにしました。
ガチョウさんは「グワッ、グワッ」と二つ返事で引き受けてくれました。
ガチョウさんは全部で10羽です。いつも仲良く遊んだり、散歩したりして「ガチョウ友の会」を結成しています。「友の会規程」もあり、将来に備えて年金制度もあります。
永年上池に住んでいて「上池の主」と言われており、上池の隅々まで知り尽くしていて大変心強い味方です。
ガチョウさんはさっそく「ガチョウ機動隊」という組織を作り、捜索を開始しました。
でも、見込違いでした。
ガチョウさんは歩けると言っても、あの大きな体では「ヨタ、ヨタ」した歩き方なんです。
そのうえ、隊列を作って歩きます。一羽、一羽散り散りになって捜索をしてくれれば早いのではないかと思ったのですが、全員が同じく「ヨタ、ヨタ」と歩きますので時間がかかりすぎました。
「ガチョウ友の会規程13条」には「友の会員は、いつも仲良く、同じ行動をすること」という項目があり、違反をした場合「この規程に違反した場合、3日間、違反者を仲間外れにして絶対に口(くち)を聞いてはならない」という罰則規定もあったからです。



[ガチョウの機動隊]



















そうこうしている間に捜索願いをだした「ネコバアさん」から「捜索願い」の取り下げが出ました。
「クロ」が餌場にいて親子三匹で残り少ない餌を分け合って食べているというのです。
ネコバアさんは、カルガモ警察署員が発見してくれたものと思っているのです。
そして、そのお礼と言って「猫缶」を三缶置いて行きました。その缶詰は猫が主に食べるものですが、カルガモは食べたことがありません。
さて、その缶詰の中身を最初に誰が食べるか、今、警察署では「アミダ籤」を作っているところです。もちろん、ネコバアさんは親切にもこの缶詰の蓋は開けてくれていました。
ガチョウさんにも一缶上げました。今頃、ガチョウさんたち、下痢でもしているのではないかと心配しています。


ああ、それから例の風采が上がらない男の人にもお礼の電話をしておきました。
電話をした時、男はパソコンで画像処理をしていて、保存する前にフリーズし、イライラが頂点に達した時でした。
パソコンはノート型でOSはWindows XPでメモリは512MB、ハードディスクドライブは50GBで空容量はほとんどないパソコンでした。
「再起動しているからちょっと待ってよ」と言われ、我慢して12分ほど待っていたのですが、再起動にも時間がかかったようで男のイライラはさらにましたのか、電話の受け答えは全くもって無愛想でした。「あっ、そう」で電話を切られてしまいました。直接会って話をするのと電話での印象が全く違ってしまう人間にひどく驚きました。


そんなことで我が「カルガモ警察署」と「ガチョウ機動隊」は、子ネコを発見することはできませんでしたが、無事、子ネコが戻ってきたことに安堵しております。
今回の親子2匹の行動は全く謎です。親ネコから事情を聴取したのですが、ただ恐縮するばかりでその理由は教えてくれませんでした。


この上池で発行している新聞「上池通信」には今回の出来事を大々的に報道してくれ、その表題は「良くやった、カルガモ警察署」となっていました。
カルガモ警察署」には称賛の電話・メール・FAXが続々と送られてきています。
子ネコを発見できなかったのですが、捜索願いが出されてすぐに捜索を開始したことに対するお褒めのメールです。
それに警察署の面子にこだわらず「ガチョウさんたち」にも協力を求め、連携を強化したことが高く評価されました。
又、子ネコが池に落ちる可能性もありましたから「カメさんたち」にも協力を求めました。
カメさんたちもすぐ協力してくれました。カメさんたちは一人、一人いや一匹、一匹携帯電話を持っていてすぐ携帯電話でメールを送信しました。
カメさんたち全員が「メーリングリスト」に加入していて、一匹のカメさんからメーリングリストのアドレスにメールを送信すると、全員に同じ内容のメールが受信される仕組みになっています。もちろん「捜索願い」の出ている子ネコの写真も送ることもできます。
このカメさんたちは「日本国竜宮城千葉県袖ケ浦公園上池支部」に所属しているカメさんたちで、支部長さんの名前は「亀池亀吉さん」と言います。
総括代表である「乙姫様」にもメールが送信されたようです。
[ご参考:id:h-kawa0619:20070621(また、またカメのお話)idをクリックしてみてください]
亀池支部長さんにも猫缶の残り一缶をお礼として届けておきました。



[日本国竜宮城千葉県袖ケ浦公園上池支部の所属している一部のメンバー]

















又、またお話が長くなってしまいましたが、最後に
実は私たちカルガモには誰ともお話ができるように「超通訳機」が羽の下についてあります。
これは人間はもちろんのこと、魚、鳥などどんな動物ともお話ができるもので、相手の言語に合わせて瞬間的に通訳してしまいます。
私たちは地球のあちこちに飛んで行きますので、世界の動物とお話ができるように開発されたものです。ですからこうして人間の言葉でお話ができるのは「超通訳機」のお陰です。難点は、相手の言語に合わせるためにスイッチの切り替えをしなくてはならないことです。先だっても人間とお話をするときにスイッチの切り替えを忘れて「×♪▽▲♯」と訳の分からない言葉が発せられた時、話し相手の人間はびっくりして気絶したことがありました。今、この点を改善しようと躍起になっています。
因みにガチョウさんに協力を依頼したとき「グワッ、グワッ」と二つ返事で協力していただきましたが、これを人間の言葉に通訳しますと「ハイ、ハイ」となります。


署長さんのお話はその後も延々と続き、お話が終ったときは夜が白々と明け始めていました。その間、僕は寝ていましたので、署長の話が何であったか全く記憶にありません。
今朝もカルガモが上池に飛来してきました。もう、すっかり秋です。
上池は賑やかになってきました。
そろそろ「カルガモ宅急便」も開始しようかと署長は思いました。



[元気な親子の姿です・(20.9.19現在)]