昨日、病院に行ってきました。先日行われたPET-CT検査の結果を聞くためです。
肺がん腫瘍の大きさがこのPET-CT検査によって分かります。
PET-CT検査ってなんですか、と質問が出てきそうですが、これを説明する前に少し病院の様子を書いてみようと思います。


予約時刻の一時間前に病院に到着するようにしています。家にいても何もすることがないので病院で時間をつぶしていた方が退屈しのぎになります。
「肺がん」の患者は2階の「呼吸器内科」が担当します。内科にもいろいろとあるのですね。例えば「神経内科」、「消化器内科」、「循環器内科」、「糖尿病内分泌内科」、「血液・腫瘍内科」などなどです。風邪にかかったらどこに行けばよいのでしょうか。
2階の待合室で予約時刻まで待ちます。


待合室で待っている患者さんはいろいろな方がいます。
でも、一人で待っている人はあまりいません。ご家族同伴です。それもご夫婦が多く見受けられます。それも高齢者が多いのです。
「オトウサン、オトウサン。名前を呼ばれる前にトイレに行ってきてください。トイレはここから左に行って右奥にあります。男子トイレは向かって右側ですよ。ミギガワ。分かりますか」と奥様はご主人さまに言いました。
ご主人さまは言いました。「分かっとるわい。そんなこまごまと言わなくても」。
ご夫婦の会話は実に大きな声でしたので、待合室にこの会話が響きわたりました。
ご主人さまは立ち上がり、トイレに向かって行きました。その後、すぐ奥様が後を追って行きました。やっぱり心配なのでしょうか。多分、家でも同じことが日常茶飯事に行われているのでしょう。ご主人さまのウンザリとした顔が思い浮かびます。
我が家も同じことが行われています。どうして歳を取ってくるとご主人さまを子ども扱いにしてしまうのでしょうか。ご夫婦の行動は他人事とは思えませんで、ご主人さまに深く同情しました。


医師(先生)にもいろいろな方がいます。
順番がきますと「○○○さん、5番診察室にお入りください」とスピーカーを通して呼び出しがあります。
大きな声で患者さんを呼ぶ明るい先生、小さな声でちょっと暗い感じのする先生。いろいろです。
呼び出された患者さんはドアをノックして診察室に入ります。
ドアを開けるとすかさず先生から声がかかります。
「いや〜。お元気っ」と大きな声の明るい先生の声です。
「あの〜。今日は元気がないから先生に診てもらおうと思って来たのです」と患者さんの鎮痛な声です。
「患者の顔色」をみないで陽気に挨拶をする先生。
その後、どうなったのでしょうか。会話が続いたのでしょうか。


さて、PET-CT検査です。
ご理解いただくには無理があるのですが、PET-CTでは、がん腫瘍の存在やその位置、形態などを把握が出来るのと同時に体内の様子を撮影することができます。
PETとは、Positron Emission Tomogrpphy(陽電子放出断層装置)の略で、細胞の活動状況をみることができ、がん、脳、心臓などの病気の診断に有用です。
また、CTとはComputed Tomographyの略で、コンピュータを用いて断面像を得るものです。
PET-CTは、PETの機能画像とCTの形態画像とを合わせたもので、これにより診断精度の向上を図ることができるようになりました。
以上はインターネットによる「俄か勉強」で、ご理解いただけるかどうかわかりません。
ですが、今、健康だと思われる方も一度はこのPET-CTをうけてみてはいかがでしょうか。
この検査は約2時間を要します。薬剤を注射してから約1時間、水やお茶を飲みながら別室で安静。その後、約30分カメラの下に横たわっています。苦痛はありません。ただ、じっとしているだけです。それが終わりましたらまた30分ほど安静。これで終わりです。


「がん腫瘍の形がなくなっています。PET-CT検査での数値(SUV・残念ですが説明ができません)当初13.49から2.53になっています。(数値が小さいほど良くなっている)
ですが、健常者の数値は2.5以下ですので、もう少しです。来月、また、入院してもらって抗がん剤を投与しましょう。次の抗がん剤はいままでのものとは少し違い、副作用が少ないものを投与します。今までよく頑張りましたね」と医師は言いました。
僕は笑顔になっていました。久しぶりの笑顔です。
喉の痛み、声のかすれ、脱毛の副作用は相変わらず続いています。