「ウラシマソウ」物語

今日の天気 曇り

午後には雨が降る予報で、久し振りの雨になりそうです。
公園の桜も散ってしまい、また、静かな公園に戻りました。
渡り鳥のカルガモはいつの間にか姿を消して、カルガモが羽を休めていた岩にはカメが甲羅干しをしています。
僕に「ウインク」をしてくれたカルガモは、今、どの辺を飛んでいるのだろう。
今年の秋には、またこの公園に仲間たちと一緒に飛んでくることを願っています。


「やっぱり、この公園には浦島太郎がいたんだ」。僕は確信しました。


この公園には上池という大きな池があります。
この池にはたくさんのカメが住んでいます。晴れた日は岩に上がって甲羅干しをしているカメをよく見かけます。非常に敏感で近寄るとすぐに水の中に潜ってしまいます。
上池の周辺を歩いていますと、時たまカメが道路を横切るように歩いているのを見かけることもあります。
近寄ると必死になって逃げようとするのですが、その動作は緩慢ですぐ捕まえることができます。そんなカメを持ちあげると両脇から水を噴き出して威嚇します。びっくりして手を離すとカメは道路上に落ちて痛い目にあいますが、固い甲羅だから余り痛さを感じないのかも知れません。
又、孵化して間もない子ガメを見ることもあります。水のある方向が分からないらしく、道路をさまよっているのです。
いずれも池に戻してやりました。カメにとっては余計なお世話だったかも知れませんが、僕は浦島太郎の気分になりました。


こんなにたくさんのカメが住んでいるのだから、もしかしたらこの池に「竜宮城」があるのではないかと思いました。
そんなことで、このブログには何回か「竜宮城」のお話を書きました。


id:h-kawa0619:20081002(上池物語)・id:h-kawa0619:20080525(カメとカルガモのお話)
id:h-kawa0619:20080427(果報は寝て待て)  その他多数


その中にはカメはもちろんのこと「乙姫様」や、池なので「フナ」や「ドジョウ」などが出てきました。でも、主人公である「浦島太郎」は出てきません。
ブログに出てきます「竜宮城」のお話は現代の物語です。
浦島太郎は昔、むかしの人ですのでとっくに過去の人になっているからです。
では「乙姫様」とお思いでしょう。乙姫様は女性ですから長生きしているのです。でも、乙姫様という地位は世襲制をとっていますので、今の乙姫様は56代目に当たります。
浦島太郎はなぜ現代まで生きていなかったのかと、これも疑問に思うかも知れません。
図書館に行って参考図書を借りてきました。
でも、どれもこれも、浦島太郎は「玉手箱を開けたとたんお爺さんになってしまいました。めでたし、めでたし」で終わっているのです。何が「めでたし、めでたし」なのか分かりません。


公園を歩いていても頭の中は「浦島太郎、浦島太郎」という文字でいっぱいでした。
と、ある場所に来たとき、前を歩いていたオバサンご一行の一人が何かを指さしていました。
「あれがウラシマソウと言うのよ」。それは初めて見る野草です。いや、見過ごしていたのかも知れません。ウラシマソウは池のすぐ近い丘の林下に咲いていました。
「ウラシマ」という言葉に何か偶然を感じました。早速写真を撮り、家に帰って調べてみました。
『「ウラシマソウ」・和名は「浦島草」でグロテスクな花が咲き、付属体の先が糸状に長く伸びた様子を浦島太郎の釣り糸に見立てたもの』とありました。
やはり、浦島太郎と関係がある野草でした。