「袖ケ浦公園の彼岸花」


















朝から生憎の雨。それに涼しさを通りこして寒くなりました。急に秋が深まった感じです。
お彼岸が過ぎましたら、夏から秋へ急転回したような気候になりました。
今日は孫の保育園の運動会の予定でしたが、この雨じゃ運動会はできないということで10月6日に延期になりました。孫は今日の運動会を楽しみにしていたようですが、来週まで持ち越されてしまいました。運動会の応援団長だそうで、今朝、起きた時から気合が入っていたようで、延期になったことに残念がっていたようです。


さて、そんなことで孫の運動会を楽しみにしていたのですが、来週までお預けということで、また、また暇になってしまいました。
無理してでも何かしなくちゃというわけで、病院に薬を貰いに行きました。血圧の薬です。病院は高齢者であふれていました。
昨日は真夏日、そして今日は極端に寒くなったため体調がおかしくなり病院に駆けつけてきたのでしょうか。それとも僕と同じように何もすることがないので、病院で時間を潰しているのでしょうか。


病院を出た時、お昼近くになっていました。どこかで食事をして行こうかとあるお店に入りました。
初めて入るお店でしたが、なかなか洒落ていて落ち着いた雰囲気がありました。
会話が極端に少ない僕たち夫婦は、出された水を飲み、そして水をおかわりして注文したものが出てくる間の時間を潰していました。
と、少し離れた席に母親と小学生の男の子が座りました。
少し経ってから父親がやって来て、小学生の子の前に座りました。父親の顔はそれはそれは恐ろしい顔をしていて、目が三角に吊り上っていました。
これは何かあるなと感じました。案の定、父親は息子の頭の前髪をつかんで引っ張っています。明らかに子供に対して怒っている様子がわかります。自分の家であったら多分この子は殴られていたのではないかと思います。
父親と子供、そして母親の声は聞こえてきません。
子供の手にはハンカチが握られていて時々、目を拭いています。母親も父親と一緒に子供を責めているようです。
子供が泣いているのを見て悲しくなりました。家内も気がついたようで、チラチラ見ていました。会話のない僕たち夫婦ですが、ますます会話がなくなってしまいました。


注文したものが出てきましたので食事に専念しようと思ったのですが、どうも親子の状況が気になります。食事をしながらそれとなく見ていました。
子供はテッシュで鼻をかみ、ハンカチで涙を拭いていました。鼻は赤くなっていました。
15分程時間が経ちました。父親の顔はこのお店に入ってきた時とは明らかに違ってきました。今度は穏やかな顔になっていたのです。
父親の顔を見た時、すべてが解決したのだと思いました。
子供の顔に笑顔が見えました。母親の顔は見ることができなかったのですが、父親と同じ顔つきであったと思います。
親子の席にも食事が運ばれてきました。


「オトウサン、ここのお店雰囲気が良いわね」と家内が言いました。「ウン」と僕は答えました。
会話の極端に少ない僕たち夫婦でしたが、この会話で「会話の極端に少ない夫婦」から「会話の少ない夫婦」になったことに満足しました。