アイスキャンディ

今日の天気 晴れ


公園は、夏から秋へと変わりつつあります。
鼓膜が破れるのではないかと思われるほどのセミしぐれも今は静かになり、虫の鳴く音が一段と大きくなってきました。
サクラの落葉も激しくなってきました。もうすぐ「彼岸花」が咲きます。


「おれだよ。俺」。ちらっと「おれ、俺詐欺」が頭をかすめました。
電話の相手は、少しお酒が入っているようです。
どこかで聞いたことのある声です。
「な〜んだ。××君じゃないか」。
懐かしい友人の声です。
「さっきも電話したんだけど、不在だったからまた電話したんだけどね。今、小樽から電話しているんだよ」
携帯電話料がちらっと頭をかすめました。
「あのさ、小さい頃食べた懐かしいアイスキャンディを送ったから、旅行でも行って長く不在だったら困るなぁと思って電話したんだよ」。
友人の心遣いがうれしくなります。
「アイスキャンディ」。懐かしい言葉です。


子供のころ、アイスキャンディ屋さんはあちこちにありました。
アイスキャンディを作っているときのモーターの音が今でも耳にこびり着いています。
アイスキャンディはいくつかの枠に割りばしを入れて、そのケースをモーターで冷やした水の中に入れて作っていたように記憶しています。
長く、丸く、食べるとシャキ、シャキしていました。アイスキャンディは先の方は上手に食べることができるのですが、後の方は食べにくく、時々、落としてしまって泣きべそをかいたこともあります。小豆の入ったアイスキャンディが一番好きでした。
その後、四角になったアイスキャンディも売り出され食べやすくなったのですが、それでも時々落としてしまい、泣きながらその落としたアイスキャンディを踏みつぶしたものです。


スーパーでは、今、「アイス」のつくものは何でも売っています。美味しくなりました。
でも、糖尿病予備軍である僕はなかなか手が出ません。
小樽から送られてくるアイスキャンディはどんなもんだろう。昔懐かしい味がするんだろうなぁ。今日にも着くんだろうから、一歩も外に出ないで待っていよう。食べる時は糖尿病のことは忘れて、一かけらも落とさないように細心の注意を払って食べよう。
そして、友人の暖かい心配りに感謝しながら。