思い出の音楽

フジバカマ

今日の天気 晴れ。


久しぶりの晴れです。気持ちの良い秋晴れですね。風がチョッピリあります。


今、パソコンに保存してある「冬のソナタ」アルバムを聴きながらこの日記を書いています。この曲を聞くのは久しぶりです。そして当日のことを思い出し、涙がうっすらと浮かんできます。誰にでも音楽により昔懐かしい思い出が浮かんできます。
あの苦しい時代に、そして楽しかった時に流れていた音楽、音楽がその時の状態を思い出させます。


「兄貴、この音楽聞いたことがあるかい」。
母の葬儀が終わり、家路についている時です。
弟に飛行場まで送ってもらっている自動車の中に流れている音楽です。母親の葬儀から解放されホッとした時でもありましたが、車内では誰も話しをすることなく、それとなく音楽を聴いていたのです。その音楽は母親が亡くなってお通夜、告別式のことを思い出させる静かなそしてなんとなく物悲しい音楽でした。


4月20日、小樽にはまだあちこちに雪が残っていました。
母親が亡くなったとの連絡を受けた時は東京は暑い日でした。
こんな寒いところで母は生活していたんだ。雪のない所で生活をしてみたいと言っていた母でした。とうとう死ぬまで実現してやれぬことを悔いました。


「今、流行っている冬のソナタという音楽だよ」。
この「冬のソナタ」というテレビドラマはみた事がありません。ですがこの音楽からは悲しい物語のような気がします。
僕にはもっと悲しい物語です。
飛行場に着くまで何回も繰り返し「冬のソナタ」の音楽が流れました。
外にはまだ雪が残っていました。窓を開けると身を切るような冷たい風が入ってきます。
車内は無言のままです。この音楽を聞きながら弟は「冬のソナタ」のドラマを思い出し、僕は母の若かった頃から葬儀のことまでを思い出していました。


冬のソナタ」の音楽CDを買いに行きました。
若い女性がカウンターに立っています。「これを下さい」と女性に言いました。
少し怪訝な顔をしました。
後で知ったのですが、この音楽CDを買いに来るのは圧倒的に奥様が多いとか。
「変な小父さん」と女性店員から思われたのかも知れません。


この「冬のソナタ」の中で「最初から今まで」が母親を思い出す曲です。
人、それぞれ思い出があります。それを思い出させるのは音楽もそのうちのひとつです。
母親を思い出したい時、この音楽を流します。知らず知らずのうちに涙が流れてくるのです。