ある日の出来事

今日の天気 曇り


公園を歩くときはデジカメを持って歩きます。花が咲いたら撮り、カメがひっくりかえっているのを撮り、ガチョウたちが内輪もめで喧嘩をしているところを撮り、蛇がニョロ、ニョロと散歩しているところを撮り、公園を歩いている人が「鼻くそ」をほじくっているところを望遠で撮り、その時、その時の状況をカメラに収めています。
大事な記録用のデジカメです。


その大事なデジカメを家内が壊してしまいました。
家内が「アジサイ」を写したいというものですから、大事なデジカメを貸してやりました。
アジサイの近くに幅50㎝?ほどの小川が流れています。
行く時はなんなく飛び越えて行きました。その忌まわしい事件が起きたのは帰りです。
小川には小さい橋がかかっていたのですが、行く時飛び越えたという自信があったのでしょう。橋を渡らず帰りも小川を飛び越えました。
着地したとき足元の小石につまずき、転んでしまいました。
そのとたん大事なデジカメは家内の手を離れて宙を舞い、アスファルトの道路にしこたま叩きつけられました。
カメラに傷がつき、部品の一部がとれてしまいました。
すぐ、大事なデジカメを拾いあげ、写るかどうかを確認しましたらちゃんと写りましたので安堵しました。その状況を家内はジッと見ていました。


家庭内のいざこざが起きたのはデジカメをいち早く拾いあげた瞬間からです。
家内は転んだ瞬間に肘に打撲を受けていました。
もう、お分かりですね。ソウナンデス。
「私よりデジカメの方が大事なのか」と迫ってきたのです。
この出来事は一瞬のことでしたので、普段「大事なデジカメ」と思っていた行為が優先してしまったのです。
それから家内は話をしてくれませんでした。


これでは昼食の準備をしてくれそうもありませんでしたので、嫌がる家内を説き伏せてレストランで食事をすることにしました。
レストランは込んでいました。入口には「お名前を書いてお待ちください」と書いてありましたので、氏名の欄には本名を書かないで「上(うえ)」と一文字だけ書きました。
多分、名前を呼ぶとき「うえ様」(うえ様と呼ばれたら殿様の気分になれます)と呼ぶだろうと心待ちしていました。そしてその時の店員さんはどんな態度をするか大いに楽しみにしておりました。
順番がきて名前が呼ばれました。「うえ様」でなく「かみ様」(神様)と呼ばれました。
店員さんは名前を呼んだ時、どう思ったでしょうかねぇ。
家内もこのいたずらに笑顔が戻り、また、夫婦の間は「普通」の状態に戻りました。
店員さんごめんね。