今年もまた

今日の天気 曇と時々雨


昨日は家内の誕生日。今年もまた昨年と同じことを「やっちまったね」(やってしまった)。


「お父さん、近ごろ、一層忘れっぽくなって来たんじゃない」。と家内が車内で言いました。
これから孫の野球応援に自動車で出掛ける途中にその声は発せられました。「えっ、何のこと」と一瞬戸惑いました。近ごろに限らず、ずっと以前から昨夜食べた夕飯のオカズに何を食べたのか思い出すことが出来ないことが多くなり、自分なりにとても心配していたところに、一番身近の家内から「近頃、忘れっぽい」なんて言われると来るものが来たと思い、身の縮まるような恐怖感に囚われました。


「何か忘れものをしたかなぁ」とスポンジ状態の脳ミソをフル回転させました。
「アッ、いけない。家内の誕生日は今日だった」と思い出し、お祝いのお言葉を用意していたことをすっかり忘れていたのです。すぐさま「××回(本人の見栄から省略します)のお誕生日おめでとうございます」と用意していた祝辞の殆どを省略して、それでも他人様に言う時と同じように丁寧に言いました。家内は容赦なく僕に言いました。「何かを催促されてそれからやるのは「下(げ)」の「下」。その時「ゲ、ゲの鬼太郎」を思い出したのですが、そんなことを言ってしまうと怒り心頭に発する状態になっても困りますので黙っていました。「朝起きて私の顔を見てから何時間経つのよ。誕生日のことなんか忘れていたんでしょ」。「誕生日は覚えていたんだけどお祝いを言うことを忘れてしまったんだ」とわけの分からないことで弁解したのですが、聞き入れてくれませんでした。車内はムシムシと暑くなってきました。


昨年の誕生日の時も同じようなことがありました。やはり、家内の顔を見てから数時間が経過したところで思い出し、「おめでとう」と声をかけたのですが、無視されました。その日、一日は針の筵に座されたような感じでした。来年は絶対同じことを繰り返してはならないと固く決心して、年初早々に今年のパソコンカレンダーに家内の誕生日4月30日欄に「家内の名前と誕生日」と入力しました。手帳にも書きました。昨日の4月30日パソコンを動かした時に「メール」で「家内の名前と誕生日」の知らせが届きました。手帳でも確認しました。そんなことで絶対忘れることはなく、家内が起きて顔を合わせたらすぐに誕生日のお祝いを言おうと思っていたのですが、それから数時間経ってから家内が起きてきましたのでその間に誕生日のことなんかすっかり忘れてしまっていたのです。全くもって残念な結果になってしまいました。誕生日のお祝い事は、女性と男性では微妙な違いがあるようです。「僕なんか誕生日にお祝いなんて言われなくてもなんとも感じないのですがねぇ」。


「お誕生日、おめでとうございます」とテーブルに「ショートケーキ」が置かれました。
孫の野球応援が終わり、野球場近くでお茶を飲んで帰ろうと珈琲店に入りました。孫を応援しているときは、誕生日の事など忘れていました。珈琲店に入ったらまた「誕生日」の復活です。初めて入ったお店の雰囲気は良く、店員さんたちの応対も大変は明るく感じの良いお店です。家内は愛想のよい店員さんと話をしていたのですが、その会話の中で「今日は、私の誕生日」と何気なく言ったようです。そうしましたら、ケーキが届いたのです。こんなことって初めての経験です。「全く見知らぬ他人様から誕生日のお祝いをしてもらったのは初めて」と家内は大喜び。そして僕も家内の機嫌を治してくれた店員さんに感謝しました。次回もこの近くで孫の野球があったらここでお茶を飲もうと思いました。珈琲店の名前を忘れずに記録しました。そして今から来年のパソコンカレンダーに家内の誕生日を入力しておきました。珈琲店の名前は「××ーバックス富津店」。家内から「近頃、全く記憶力がなくなりましたねぇ」と言われないように。そして、家内が自分の誕生日に「私の誕生日はいつだったけねぇ」と言わないように願っています。


(袖ケ浦公園の初夏)