今日は七月七日。七夕。
そういえば七夕で思い出したことがあります。
「十で神童 十五で才子 二十すぎれば只の人」で「十で神童」のころのお話です。
神童のころ、北海道のある炭鉱の町に住んでいました。七夕は七月か八月か忘れてしまいましたが、夏休みのころだったので多分八月だったと思います。その七夕の日、隣町に流れている空知川に柳の木(竹・笹ではありません)をとりに行きました。片道1時間もかかります。
その柳をセッセと運んで来て玄関にくくりつけ、願いごとを書いた短冊などを飾るのです。
その夜、子供たちによる提灯行列と「ろうそくもらい」という行事がおこなわれ、1軒ごとに「ろうそく出せ、出せよ。出さないとかっちゃく(北海道弁でひっかくという意味)ぞ」と言って回ります。
ろうそくをくれない家には「ろうそく出せ、出せよ。ださないとかっちゃくぞ。お前のかぁちゃん出ベソ」と悪態をつきました。「ろうそくもらい」が終わって、もらったろうそくの数を競うのが楽しみでした。
提灯もいつしか缶詰の缶にかわっていきました。
缶詰めの缶の上部を切り取り、缶を横にして真ん中あたりにろうそくを立てます。
横にして、そのうえに穴を二つあけ、そこに針金を通して持ち手を作ります。完成してろうそくをつけるとそれはそれは提灯の明るさより何倍も明るいのです。瞬く間に男の子の間に広がりました。
今はとっくに二十を過ぎて「タダの人」となり、そして加齢とともに「恍惚の人」となりました。
すでに炭鉱は廃坑閉鎖、小学校は廃校になり、友達も散り散りになりました。
ろうそくの数を競った諸君、元気でいるだろうか。
今日は七夕です。