「アヒル君」の事情

今日の天気 曇りのち雨


とうとう本格的な雨になってしまいました。太陽が雲の陰に隠れているせいもあり、寒さが一段と身にしみます。そろそろコタツを出さなければならない季節です。でもね、コタツは場所をとりますから、狭い我が家はますます狭くなり落ち着きません。そこで、今日灯油を買ってきました。そして、石油ストーブの火入れ式を行い、この冬もお世話になりますと石油ストーブに挨拶をしたところです。


今朝も早く公園に行ってきました。今日はアヒル君に食パンのミミを持っていきました。昨日、パン屋さんから貰ったきたものです。パン屋さんから食パンのミミを貰ってくるのも気を使います。髭をそって、頭髪も七三に分け、服装もきちんとしていきます。そして、アンパン、メロンパンなどを買い、ついでに食パンのミミを貰ってくるのです。髭は伸び、頭髪はバサバサ、服装はよれよれのジャージでいつも家にいるときの状態で食パンのミミだけを貰いに行きますと「可哀想に、パンを買うお金も無いんだ。公園のアヒルに上げると言って食パンのミミを貰いにくるけど、本当は自分が食べ、その日、その日を過ごしているんだ。家族はいないのかしら」と同情されても困りますので、一応体裁を繕って貰いに行くのです。


公園につきましたら、アヒル君が近寄ってきました。袋を持っていますから、何かお土産を持って来たなと察したようです。


「アヒル君、久しぶりだね。ここ、二・三日、姿が見えなかったので死んじゃったのかと思いました。「上池」ではたった一羽のアヒルですから、死んじゃったら子供たちが悲しむだろうなぁと思っていたところですよ。良かった、生きていて」。


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id:h-kawa0619:20060917(「アヒル君」のお話)



ヒル「その節は大変ご心配をお掛けしました。一緒にいた同僚が不慮の事故に合い返らぬ鳥となってしまい、僕だけが残されてしまいました。その悲しみは言葉には言い尽くせません。同僚が戻ってくるんじゃないかと同じ場所に数ヶ月もいたのです。でも戻ってくることはありませんでした。これからどうして自分一羽で生きて行こうかと思い悩みました。その間、いろいろな鳥たちから激励の言葉を頂戴したか判りません。そんなある日、マガモさん家族からお友だちになりませんかというお誘いを受けたのです。マガモさんの家族は三羽です。
以前、僕の仲間のアヒルはこの池に沢山いました。そして、マガモと仲良く暮らしているアヒルを見たこともあります。いつしか、それぞれが歳を取っていなくなってしまいました。残されたのは僕と同僚二羽だけになったのです。
そして、いつかまた僕たちの子供を沢山作って、この池を「アヒル天国」にしようと話し合ったばかりの時にその同僚が事故に合ったのです。そんなこともありマガモさんからお誘いがあった時に、スンナリと受け入れることが出来ませんでした。何回かお誘いがありました。本当にありがたいことです。何度涙を流したか判りません。これ以上、お断りするわけにも行かず、マガモさんと一緒に生きて行こうと決心したのです。
三日ほど、マガモさん家族と旅行してきました。どうもご心配をお掛けしました」。


「そうでしたか。良かったですね。以前、アヒル君が、毎日同じ場所にジッとしていた時は心配しました。クワッ、クワッという鳴き声が実に悲しく聞こえてきました。これからはマガモさんと一緒に元気に暮らして行ってください。そのお祝いに食パンのミミを持ってきました。皆さんで仲良く召し上がってください」。


ヒル君に食パンのミミを貰ってくるときの苦労話を聞いて貰おうと思ったのですが、今回はその話しをするには相応しい時でありませんでしたので、次回にすることにしました。今日、これから雨が降って寒くなるけど、寒くないかなぁ。家族が寄り添っていれば温かくなるよ、きっと。アヒル君、お友だちが出来てよかったね。