暇な小父さんの生活

公園の「カルガモ」

今日の天気 雨。


とうとう一日雨になってしまいました。こんな日はどこに出かけることも出来なくて憂鬱です。気分も曇りです。


夏の暑い日の午後、一人のチョ〜暇な小父さんが木を見ていました。太陽はサンサンと輝き
その光は肌を刺すようです。帽子も被らず額から汗がにじみ出ています。
それでもチョ〜暇な小父さんはジッと木を見ています。
時間はどんどん過ぎ去っていきますがそんなことは問題ではありません。今日をいかにして過ごすかというのがこの小父さんの考えです。


木には沢山の小さな蟻ん子が忙しく昇ったり、下ったりしています。その蟻ん子の動きを見ているのです。この蟻ん子はどこに行って何をしているんだろう、木の先には葉っぱがあるだけです。昇りきった蟻ん子は今度は下ります。この蟻ん子の巣はどこにあるんだろうとまたその蟻ん子の行き先をジッと見ています。
蟻ん子はたくさんいますので、目で追っていても途中で分らなくなります。どれがどれだか分らなくなってしまうのです。


チョ〜暇な小父さんは蟻ん子の動きにイライラし始めました。そこで小父さんは木を指ではじきました。そうしますと蟻ん子たちは一斉に下り始めたのです。大発見です。それに気をよくした小父さんは更に指で木をはじきました。蟻ん子たちの驚きが伝わって来るようです。大地震発生、避難せよ。と蟻ん子たちに伝わっているんだとこの小父さんは考えました。
木をはじくのをやめたら、又、蟻ん子たちは昇り始めました。


今は秋、木の葉も散って蟻ん子たちの姿も見えなくなりました。
チョ〜暇な小父さんは更に暇になってしまいました。蟻ん子の動きを見ることがなくなったからです。「蟻とキリギリス」の童話のことを考えました。今頃、蟻ん子たちは、一生懸命働いて沢山貯めた食料を食べているかしらと思いました。もうすぐ長い冬がやってきます。


チョ〜暇な小父さんはというと、相変わらずグータラな生活を送っています。食ーて寝て、
クーて寝ての繰り返しです。
時々庭にでて、珍しい虫がいないか探しています。たまには雑草を抜いている時もあります。小さなトカゲを捕まえて尻尾が切れるのを観察したり、トンボの羽を一枚抜いて平行飛行が出来るかどうかを確認したりしてその日を過ごしています。