「アヒル」とお話

ナツメ

今日の天気 晴れ。


今日は風があったせいか空が青く、そして入道雲がもくもくと湧き上がっていました。夏空ですね。
今日は公園のアヒルとお話をしてきました。何故か袖ケ浦公園の「上池」にはアヒルは二羽しかいません。ツガイでしょうか。
このアヒル、ガチョウに苛められているようです。ガチョウが近づいてくると逃げ出します。アヒルは「グワッ、グワッ」と鳴きますが、ガチョウは首を絞められているような声で鳴くので近所から迷惑がら、子供がびっくりして泣き出すこともあります。


この可哀想なアヒルにパンを持ってきました。食べやすいように千切ってあります。
それにパンをやるときはガチョウに気付かないようにしてやります。ガチョウに気付かれたら一斉に「グワイョッ、グワイョッ」と筆舌に尽くしがたい鳴き声でやってきます。ガチョウの数は11羽でアヒルより圧倒的に多いのです。


「こんにちは、今日も暑いですね」
と丁寧に挨拶をします。
ガチョウには生意気なところがありますので、こちらの挨拶も無愛想になりますが、アヒルは可哀想な境遇で、それに同情していますので丁寧に挨拶をします。


ヒル「こんにちは、いつもパンを持って来てもらって恐縮です。二日前から草ばかり食べていたので胃がもたれてどうしようもなかったのです。これで少しは胃の調子が良くなるでしょう。ガチョウたちに気付かれない前に全部食べてしまわないと」


「そんなに急いで食べることはないですよ。それに急いで食べると長い首にパンが引っかかりますよ」


ヒル「心配してもらってありがとう」


「ところでガチョウとは相変わらず仲が良くないですね」


ヒル「ガチョウはこの池を自分たちのものと思っているのですよ。
数が多いからしようがないのですが、迷惑なのは私たちアヒルをガチョウと間違える人間がいるのですよ。その逆もそうです。ガチョウを見て「アッ、アヒルが泳いでいる」なんていう人間もいるのです。ガチョウは図体が大きく、嘴は頭から出ていて、鳴き声は汚いという特徴があるんです」


「その特徴は知っていますよ。両方とも嘴が黄色っぽいから間違えられるんですね。良く見ると違いが分かりますよ」


ヒル「近頃、この公園を歩きながら人間が話す内容も変わってきましたね。
昔は子供の話とか、生活が大変だとかが多かったのですが、この人たちも歳をとってきたせいか、年金がどうの、保険がどうの、かかりつけの病院がどうの、嫁がどうの、墓がどうのって話題に事欠かないようです。それにダイエットという言葉を覚えました。人間って贅沢ですよね。私たちアヒルは食事にありつけるかどうか、毎日心配しています。太るなんて夢の又夢ですよ。毎日公園を歩いている人間は少しでも痩せようとしているんでしょう。私たちとは全く逆ですよね」


「又、ガチョウに内緒でパンを持って来ますからね。サョウナラ」


[袖ケ浦公園ホームページ]http://members.jcom.home.ne.jp/1167060101/

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