印象に残る出来事2

「カタツムリ」

今日の天気 晴れ。


蒸し暑い一日でした。これから空気が重たく感じる季節です。太陽が沈んで暗くなっても暑さがそのまま残っているのには参ってしまいます。寝苦しい夜が続きます。


昨日の日記は「痴漢騒ぎ」でしたが、これは電車の中の出来事で印象に残るものでした。
印象に残るといえばもう一つあります。


今は週休二日制というものが定着して、土曜日の会社出勤は殆どなくなりました。
印象に残っている出来事は、この週休二日制が始まる前のことです。その頃は土曜日も出勤していました。今は死語となってしまったのではないかと思うのですが「半ドン」の会社です。午前中勤務して午後2時に帰るのです。


土曜日の午後は旅行に出かける人たちで駅は混雑しています。その頃の電車の座席はボックス型で4人掛けでした。電車の中も混雑していました。その時も座る席が無く立っていました。同じ電車賃で座る人もいれば、立っている人もいます。不公平です。30分経ったら座っている人と交代するようにとの車内放送はもちろんありません。


一人の中年の女性が座っていました。和服姿です。電車の中で和服姿を見るのは珍しいことです。推理小説・主人公・アリバイ・訳あり・独身と次から次へと想像が膨らんでいきます。電車の中では非常に目立つ存在でした。


電車が動き出し、暫くしてから荷台から荷物を降ろしました。その中から取り出したのが「日本酒の小瓶」と「お猪口」、そして「野沢菜」、そして「箸箱」。
お酒をお猪口に入れチビリ、チビリと飲み始めたのです。それから箸箱から箸をとりだして野沢菜を「ポリポリ」(電車の音で実際は聞こえ無かったのですが想像で書いています)と美味しそうに食べ始めたのです。
その行動は、実に様になっています。先ほど想像した推理小説どころではありません。どうも「演歌」の世界です。
お酒と野沢菜が美味しそうに思えたのは、この時が初めてのような気がします。
昼間の午後、それに混んでいる電車の中でよくこんなことが出来るなぁと感心もしました。
お酒がよっぽど好きなんでしょうね。


その夜、夕飯時に電車の中で見たことを再現しようと、日本酒と野沢菜を用意しました。両方とも家にはありませんでしたので、スーパーから買ってきたのです。
お猪口はお土産に貰ったものが確かにあるはずだと思ってあちこち探しましたが、とうとう見つからなかったので茶碗にしました。茶碗ではチビリ、チビリは出来ません。どちらかというと「グイッ」です。お酒はもちろん冷酒です。
もともとが下戸ですから、暫く経つと顔が真っ赤になり眠くなってきました。野沢菜を沢山食べてお酒を中和させようとしたのですが、ダメでした。
こうなると「演歌」どころではありません。タダ単に無駄遣いをしただけです。その夜はすぐ寝てしまいました。