惚けるにはまだ早い

今日の天気 晴れ

今年になってどうも物忘れがひどくなってきたように感じる。
記憶力は加齢とともに徐々に低下してくるものだと思っていたのですが、
今年になって「惚けたかなぁ」と思うことが多くなってきました。


まず、漢字が読めなくなってきました。見たことがあるんだけど読めない。
漢和辞典がないのでパソコンを開いて調べる。実に厄介なことになっています。
パソコンの操作方法も忘れていて、本棚から操作説明書を取り出して読むことが多くなりました。
実に面倒になってきました。


将来に少し悲観的になっていたのですが、先日こんなことがありました。


あるテレビ番組で、福井県の伝統食「へしこ」が放映されました。
「へしこ」。ン~、どこかで見たような聞いたことがある食べ物の名前だと思ったのですが、
すぐに思い出すことが出来ませんでした。


いつものことながらパソコンの操作説明書を本棚から取り出そうとしたとき、
水上 勉著作「閑話一滴」(PHP文庫・2015.2.19)の文庫本が目に入りました。
「そうだ。この本だ」。
この「閑話一滴」は随想集で、その中に「へしこの話」が載っていたことを思い出しました。
『へしこというのは、魚を糠漬けにしたもの。まあ、魚の沢庵漬けと思ってもらえばいい。中略。
大きくなったら、へしこをたらふく喰ってみたいものだ。私は思ったものだ。
それほど、このへしこはうまかった。』とへしこの随想が書かれています。この「へしこの話」を読んだとき、
へしこの味を想像し、よだれを流しながら読んだものです。
死ぬまで一度は福井県の若狭に行ってへしこを食べてみたいと思ったのですが、
いつしかその記憶が薄れていました。(惚けの始まりか??)


今のところ過去の記憶を思い出すことが出来るのだから、まだ惚けていないようで少し安心しました。


それにしても「へしこ」を一度でいいから食べてみたいなぁ。




(若葉)


(ナガミヒナゲシ)