ネコの気持ち

今日の天気 曇


ある日、ヒマを持て余している僕は公園にいる猫のご機嫌伺いに出かけました。
公園のアチコチで猫を見ることができます。当日は冷たい風が吹いて寒い日でした。時には暖かく春を思わせるような日もありますが、春にはまだ遠い時期です。今回、お話をした猫はそんじょそこらにいる猫とは違って、猫の品格を身につけた上品な猫です。公園の猫は容姿端麗で可愛い猫が多いのですが、中には声をかけても全く無視する生意気な猫もいます。猫は人間に飼われていた時の真似をしているのかも知れません。


性格の良さそうな猫に近づきました。


僕「こんにちは。今日も寒いですね。遠くから見た時、犬が歩いていると思いましたよ。大きな体で、コロコロ太っていますね。何を食べてこんなに太っているのですか」


猫「ニーハオ・ニャー」。※(初対面で失礼なことを言いますね。あなたのように飽食終日の結果、肥満体でメタボになった人間から言われたくないですよ。何を食べようが猫の勝手でしょ) [注:※( )内は猫言葉を人間の言葉に翻訳したものです]


僕「どうも失礼しました。ところで、どうして毎日散歩している犬より手間がかからない猫がこの公園に捨てられたのですか。あなたのように猫の品格を持っている猫は血統書つきで幸せな生活が約束されていたのではないですか。毎日、キャットフードのカルカン、フリースキーなどなに不自由なく食べていたと思ったのですが」


猫「ニャオンニャ」(人間に飼われていた時は、素性の正しい猫としての誇りを持っていました。同じ家で飼われていた犬のように毎日散歩に連れて行けとせがむこともなく、食事の量も犬より少ない手のかからない動物ですが、どうして捨てられたのかわかりません。ただ、心当りとしては、家の中でいぎたなく寝こけていることが多く、そのため、運動不足で数十キロの巨猫になって、飼い主が猫としての可愛さがないと思って捨てたのかも知れません」


僕「ここに捨てられた猫の出自を明らかにするつもりはありませんが、色々と事情があるのですね」


猫「ニャオーン」(その通りです。猫は人間に安息のひとときを与え、人間の言葉を理解する動物です。名前を呼ばれたらすぐその人のところに飛んで行きます。昔、飼い主が私に名前をつけてくれました。「あんた」と言う名前です。おかしな名前でしょ。飼い主が「あんた」と私を呼ぶと、近くにいる人間は自分が呼ばれたと思い、みんな「ハイ」と返事をしたものです。色々と飼い主の事情があるにせよ、こんな場所に捨てていくのは許せないと思っています)


僕「だからと言って、僕と一緒に暮らして行くわけにも行かず、ここに来て「元気?」と声をかけることだけしかできません」


猫「ニャオニャオ」(また、人間と同居するつもりは全くありません。あまり大きな声では言えないのですが、ここでは「猫にエサを与えないで下さい」という看板が出ているのですがそれにもかかわらずエサを置いていく人がいるのです。今のところ食べ物には困っていないのですが、寒いのには閉口しています。いくら毛皮を着ているからといってもダメです。早く暖かい春が来ないかと待っています)


僕「梅が咲きました。たんぽぽも咲きました。もうすぐ春です。風邪を引かないように」と言って猫さんと別れました。