先日こんなことがありました。
8月15日。木更津港まつり花火大会での出来事です。
当日は生憎の曇りで時々小雨が降っていましたが、会場はどこから出てきたのか
大変な人で混雑していました。
特に目についたのが、浴衣を着た若いカップルと子供たち。少子高齢化といわれている昨今。
ちっともその気配が感じられませんでした。まだまだ日本は安心です。


さて、花火大会が佳境に入ったころ、帰りの電車の混雑を避けるため、少し早めに帰ろうということになり、
家内と駅に向かいました。
途中、地球が裂けるのではないかと思われるような炸裂音が上空で響き渡りました。
尺玉花火のようです。そのドカーンという音で家内の頭の中の回線がつながったのか
「ヒェーツ」と花火より大きな声を出しました。「手提げカバンを会場に忘れてきた」。
と言ったとたん、家内は韋駄天のごとく会場に向かって駆け出していきました。


僕は神様に「どうぞ、カバンが見つかりますように。おうちに帰りましたら神様の大好きな
あんドーナツをお供えいたします」とお祈りをしました。
家内が必死になってカバンを探している姿を想像しました。


15分程度で家内が手提げカバンを持って戻ってきました。
『あぁ。日本人に生まれてよかったわ。カバンは会場の警備員さんが
預かっていました。
私達の近くにいた若いカップルが「忘れものです」と、警備員さんに届けてくれたようです』
と家内は僕に言いました。
僕は神様との約束事をすっかり忘れ、二人は何事もなかったかのようにして、
仲良く駅に向かいました。


家についてから、家内に内緒で財布の中身をみてみました。
診察券4枚・ポイントカード15枚・お買い上げ表・レシート・割引クーポン券種々雑多。
肝心なお金は診察券より枚数が少なく少々。
これじゃ、財布を拾った人は財布の中身を見て可哀想になり、むしろお金を恵んでくれるんじゃないかと思いました。
「財布の中のお金が少ないんじゃないの」と家内に言おうと思いましたが、
「今、あなたは無職だからよ」と言われそうなので、黙っていました。
財布と現金が戻ってきた理由がわかりました。


と、いうわけで財布が戻ってくる確率と現金が戻ってくる確率は、少し上昇したと思います。


(花火大会)