前略
お元気そうで何よりです。
寒い寒い冬はそろそろ終わりですね。
ガチョウさんが住んでいる池からほんの少しのところに梅園があります。
その梅園では梅が咲きました。今はたくさんの人でにぎわっています。
暖かい春は近くまで来ています。


とうとう三羽になってしまいましたね。
昔からガチョウさんは仲良しでした。三羽になっても相変わらず仲良しで
安心しています。
毎年、雛が生まれるのを楽しみにしていましたが、今まで雛を見たことがありません。
いつかこの池からいなくなるんではないかと心配しています。


12年前の平成17年。この公園でウォーキングを始めました。
その時に初めてガチョウさんをみました。12羽もいて、朝食の賑やかな時でした。



[余談ですが、ウォーキングはダイエットが目的でしたが、歩き続けてもなかなか理想的な姿にならないので
そのうち諦めてしまいました。いまでは鏡をみるのが恐ろしい状態です]


その後、公園に行くたびにガチョウさんたちをみる機会が多くなりました。
いつも12羽は仲良しでした。どこに行くのも一緒でした。



12羽で隊列を作り、そろって対岸に向かって泳ぐ姿は実に格好良かったですね。
他の鳥、特に渡り鳥は、ガチョウの仲間にいれてもらい、一緒に泳ぎたいと強い要望があったとか。
断ったそうですね。




毎朝、リーダーを中心に朝礼が行われていましたね。
朝礼が終わったあと、全員で「朝の三唱」を唱えていました。
「一つ。人間に愛嬌をふりまきエサをたくさんもらおう」・「グエーッ」
「二つ。いつも仲良く、エサの取り合いはやめよう」・「グエーッ」
「三つ。塩分の取りすぎに注意し、肥満体にならないようにしよう」・「グエーッ」
 (三唱の内容は、多分こんなことを言っていたのではないかと想像して書きました。
「グエーッ」という鳴き声は人間界では「オーッ」というのと同じだと思います)
それが終わると隊列を作り対岸にあるドングリなどを食べにいきます。




そうそう、こんなこともありましたね。
産卵した時です。卵があまりにも多く、一羽では抱きかかえることができないので
太陽の熱で孵化させようと考えたことがありましたね。




この頃、「誕生日定義」が湧き上がりました。鳥の誕生日はいつだというものです。
「卵で産まれたとき」が誕生日だ。いやいや「孵化した時」だ。なかなか結論はでませんでした。
そのうち、天日干しの状態になっていた卵は、カラスが全部盗んでいってしまいました。
そんなことで孵化に失敗。誕生日定義も自然消滅してしまいました。


カラスの被害は毎年のことでした。
カラスが卵を銜え飛んでいく様を見ていた人間が話をしてくれました。
「カラスは卵が重いので顔を真っ赤にして踏ん張り、飛んでいった」ということです。
カラスは黒い羽でおおわれているので、顔を真っ赤にしていたなんてわかるのかなぁと一瞬思いました。
産卵、抱卵、途中抱卵放棄、太陽熱に依存、カラスの被害。
何年も同じことが繰りかえされました。

残念ですが、仲間は減る一方でしたね。


平成20年 10羽                 平成24年 8羽


ガチョウさんの平均寿命は25年だと言います。仲間が少なくなり寂しくなりましたが、いつまでもお元気で。
今後も三羽のガチョウさんたちを見つめていきます。今度、餌を少しもっていきますね。




草々