『やっと暖かい春がやってきたのにどうして気分がすぐれないんだろう。
この公園にやってきて寒い、寒い冬を何回も過ごし、暖かい春が来るのを待ち焦がれていたのに。


人間って良いよなぁ。寒い冬に布団をすっぽりかぶって、顔だけだして朝から晩まで韓国ドラマのテレビを楽しめるんだから。
外は厳寒でも、退屈しないで時を過ごせるのは人間だけだと思うよ。


ありがたいことに毎日ボランティア活動をしている小母さんが餌を持って来てくれるので食事の心配はないので本当に助かっています。
近頃少し太り気味だからいつか人間と一緒に公園を歩かなくちゃ。


子供たちはどうしているだろう。生まれてすぐに親から離れてどこかに行ってしまった。
二度と帰ってくることはないと思っているけど、もしかしたら子供たちが戻ってくるのではないかと期待しながら、
自分は同じ場所にずっと住んでいます。


人間と一緒に暮らしていた頃が懐かしいなぁ。人間と一緒にテレビを観たり、遊んだりしたときもあった。
狸や鼠が外出を控えている寒い冬、炬燵の上で丸くなって寝ていたことが懐かしい。
もう、二度と人間と一緒に過ごすことはないだろうなぁ。


これからの人生を思うと気分が滅入ってしまう。将来に希望を持って生きて行かなくちゃ』


(寂しそうな猫。水面を見ながら何を思っているのだろう)




(ソメイヨシノ満開・袖ケ浦公園「下池」)