先日、スーパーに出かけました。いつもの通りショッピングカートを押しながら家内の後ろについて行きました。
僕の役目はカートを押しながら店内をぶらぶら歩くのではなく、常に家内の動きを注視し、家内が手にした食品をすぐさまカートに入れられるようすることです。
先日もカートを家内の横につけるタイミングが非常に良いとお褒めのお言葉を頂戴しました。


その出来事は食肉売り場でおきました。
あるご婦人がつかつかと僕のカートに近づき、食肉をカートに入れました。
そして「夕食はお肉にしますね」と僕に言ったのです。
僕は咄嗟の事なのでzip形式で圧縮した言葉で「エッ、♀◆♭♯♪★%」とご婦人に言いました。


zip形式を展開し解凍した内容は次の通りです。
「エッ。アノ〜、しばし、お待ちを。もしかしたらお連れの方と間違っているのではないでしょうか。
僕はスーパー内ではショッピングカートの専属運転士として家内にくっついて歩き、家内以外のご婦人から買い物を頼まれても断るようにしていますので
まことに残念ですがお手伝いをすることはできません。

それにしても豪華な夕食ですね。今夜はステーキですか。羨ましいなぁ。
我が家の今日の夕食は豆腐と納豆だけです。肉はコレステロール値が高くなるからと何カ月も口にしていません。肉が恋しいです。
このまま知らんぷりして会計を済ますことも出来ますが、家に帰ってからすったもんだと紛争が起きる可能性があります。
そちら様もカートに肉を入れたはずなのに入っていないことに気づき、誰かに盗まれたのかも知れないと近くにいる警備員さんと一緒に犯人捜しを開始。
その直後、僕のカートにその肉が入っているのを見つけ、この人が私のステーキを盗んだと店内に響きわたる大声で騒がれても困ります」。という内容です。


ご婦人はすぐ間違いに気がついて「あら、私っておっちょこちょいなんだから。主人と間違っちゃってごめんなさいね」とひとしきり自分の性格を述べ、
僕のカートから肉を取ってさっさといなくなってしまいました。
僕とご主人を間違えるのだからご主人は僕と同じ白髪でお腹がでて不格好なんだろなぁと思いをめぐらしています。



袖ケ浦公園のチッチャナ春(土筆)】