今日の天気 晴れ
先日、「ファミレス」(ファミリーレストラン)に行ったとき、混んでいましたので受付簿にお名前をご記入くださいとありましたので、「上」と書きました。
順番がきて店員さんから「ウエ様」と呼ばれましたので、偉そうな態度で席につきました。
これに味を占めて、次回ファミレスに行った時「神(カミ)」と受付簿に書こうと前回のブログに書きました。
そうしましたら、このブログの愛読者からたくさんのご提案を頂きました。
「殿(トノ)」(店員さんらか呼ばれる時は「トノ様」)と書いたらどうかとか、「貴(キ)」はどうかとか、いつかなると思いますが「佛(ホトケ)」はどうかとか、はたまた日本のオバサマに圧倒的に人気のある「四(ヨン)」はどうかとか言うものです。
そして、その結果を教えてもらいたいと書かれていました。
「僕に押し付けないで、提案者がこれらの名前を使ってみたら」と僕は内心思いましたが、そのようなことはおくびにも出さないで、「神」はやめて「殿(トノ)」と書くことにしました。
前回と同じファミレスに行きました。今回もうまくいきますようにと「佛(ホトケ)様」に念じて行ったのです。
着いてびっくり。受付簿がなくなり「番号札方式」に変わっていました。
以下、想像で書きました。
[ファミレス側の事情]
このファミレスは日本全国にあり、これらを統括する本部は東京にあります。
各お店には店長がいて、そのお店の責任者です。従業員の殆どが女性のパートです。
毎日、パート従業員が帰る前にミーティングを行い、その日の出来事、反省点、改善策を店長に報告するのです。
(ミーティング内容)
店長「お疲れ様でした。今日は15日で年金が入ったせいか、お年寄りのご夫婦の来店が多かったですね。安いランチが予定より早く完売になりました。でも、ドリンクバーの売り上げはさっぱりで、おかわり自由なスープと無料のお茶はどんどん飲まれてしまいました。それでは今日、なにか気がついたことがありましたら発表してください」。
ベテランオバサマパート従業員「テンチョー。聞いて下さいよ。今日、変なオジーさんが来て「受付簿」の名前に「上(ウエ)」と書いたんですよ。その人の名前をお呼びする時にちょっと気恥ずかしかったんですが「ウエサマ」と呼びました。そうしましたら、そのオジーさんはうれしそうに立ちあがりましたので私はオジーさんに聞きました。「おタバコはお吸いになりますか」って。そうしましたら「スイマセン」という返事が返ってきましたので禁煙席に案内しようとしましたら、このオジーさんは何と言った思いますか。テンチョー。
「なんで君に謝らなくちゃならんのかね」と言ったんですよ。テンチョー。
これって言いがかりですよね。テンチョー。ご夫婦の間に何が起きているのかわかりませんけど、私に八つ当たりされては迷惑だわ。でも、お客様は「神(カミ)様」だといつも店長さんから言われていますので、私も「スイマセン」と謝りました。
あの憎たらしい顔、踏ん反り返った態度、どう見ても「上(ウエ)」という名前は偽名に違いないわ。偽名を書いて喜んでいるのよ。テンチョー。
今度来店したときも又偽名を使うわよ。「殿(トノ)」とか「貴(キ)」とか書かれたらどうしましょう。「佛(ホトケ)」なんて書かれたら、ホトケ様と名前を呼ぶ前に「合掌」してしまいそう。何とかならないかしら。テンチョー」。
店長は、ベテランオバサマパート従業員のテンチョーと何度かの必死な問いかけに、この報告を見過ごすことはできないと思い、その晩、徹夜をしてWordで本部宛ての報告書を作成しました。
[本部側の対応]
実は本部には、このような提案書が続々と送られてきていました。
内容は殆ど同じで、受付簿には「ヘンテコな偽名」が多く、客とのトラブルが増加傾向にあるので、何とか対応策を考えてもらいたいというものです。
本部では早速プロジェクトチームを立ち上げ、その対応策の検討を始めました。
検討の結果「番号札方式」を採用することになりました。これにより、お客様の名前を書く負担を減らし、日本人特有なセッカチな気持ちを抑えるために何人待ちなのかもわかるようにしました。
「ピンポーン。12番の番号札をお持ちのお客様、大変お待たせいたしました。禁煙席の「松」のお席にご案内いたします。ピンポーン。おめでとうございます。本日のラッキーナンバーは12番でございます。ポイントが二倍つきます」。
番号札発行機から明るい声が響きわたりました。僕は得意気な顔してベテランオバサマパート従業員の後について行きました。
そして、偽名を使ったことを反省しました。
提案者のご期待にそえない結果になってしまい、「ドーモ、スイマセン」でした。
[お詫びをいうときは「スミマセン」が正しい言葉づかいです・「ドーモ、スミマセン」でした]
このお話は実在するファミレス。店長。ベテランオバサマパート従業員とは全く関係がありません。
