「オトウサン、オトウサン」とまた家内が階下で僕を呼びました。
先日、家内が素っ頓狂な声を出して僕を呼びましたので「宝くじ」でも当たったのかと喜び勇んで階段を駆け降りたとき、階段を踏み外し痛い目に遭いましたので、今度は死んだふりをして本を読んでいました。
そうしましたら、家内が二階に上がってきて「オトウサン、見て、見て」僕の前に顔をヌーッと出しました。
「ヒャーッ」と今度は僕が素っ頓狂な声を張り上げてしまいました。
「オトウサン、これは『目もとパッチリパック』なのよ」と言って両目の下に目の大きさの白い紙を貼っていました。
初めて見たことでもあり、四つ目小僧と間違ってしまい驚愕のあまり素っ頓狂な声を出してしまったのです。
「目もとパッチリ」なんてのは本人がなるのではなく、見た相手が驚きのあまり目がパッチリする物ではないかと製造元を罵っておきました。
このパック。試供品で「これをお試しいただければ10歳は若返ります」とかなんとか言われて、遠慮なくもらって早速試したのです。
このパックを剥がすタイミングが分からないようで乾くまで目の下に貼っていました。乾ききって落ちた時、家内は僕に尋ねました。
「どう、目の下の皺がなくなったかしら」と。
全然変わらなかったのですが「ウーン、少し良くなったようだね」と訳の分からない返事をしておきました。


そんなことで我が家は今日も平和な時間が過ぎて行きました。